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切通理作
2017.2.7 05:10

ひっかけ問題に転ぶなかれ


 「自民党の懇談会で指摘された特例法支持の理由と課題」の中で挙げられた、「将来の全ての天皇を対象にするための明確な要件設定」が困難な理由のひとつ
「(退位の)年齢は個人差もあり、一律には決めにくい」への、むりやり答えのでない問いを持ち出して、『まとまらない』結果を呼び寄せようとしているだけでは」という泉美師範の返し、見事と思いました。

 僕も今日の朝刊での記事や、それ以前の有識者会議の論点整理読んで、この部分には「なんか話がごまかされたな」と思いながら、鮮やかな返しが思い付かなかったのですが、考えてもいなかったことを持ち出して、なにが重要なのかということを混乱させるのが、政府とその御用機関の目指すところなのだなとわかりました。

 そもそも「高齢化の定義」なんて問い、どこからも出てやしない。
 高齢化に伴う体力の衰えを感じるという「陛下のご意思」が前提であって、第三者が「この歳になったら退位」だなんて決めつけていいなんてことは、最初から論外なんだなと、目が覚めました。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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